診療当日のドタキャンは 30 分枠が空いただけでもユニット売上が消え、人件費は発生する――二重の損失を生みます。しかも連絡なしの無断キャンセルは再予約率が低く、次回来院を期待しにくいのが現実。本マニュアルでは キャンセルポリシーの作成 → リマインダー導入 → スタッフ対応 → 法的リスク回避 → KPI 管理 まで、今日から実行できる手順をまとめました。
なぜ当日キャンセル問題が深刻化するのか
無断キャンセル率とチェア稼働ロス
- 全国 300 院平均の無断率:4〜7 %
- チェア 5 台・1 日 2 枠(30 分)空くと、月 22 h の稼働ロス
30 分枠が空くと平均いくら損か
- 保険 6,000 円/自費 15,000 円
- 月の機会損失:13〜33 万円+固定人件費=利益圧迫
まずはキャンセルポリシーを明文化する
| 区分 | 連絡あり | 連絡なし |
|---|---|---|
| 前日 16 時まで | 料なし | ― |
| 当日 | 診療費 30 % | 50 % |
| 無断 | 予約不可+100 % | ― |
- 待合掲示・Web FAQ・初診同意書で周知・署名取得すると後トラブル減
キャンセル料設定と会計処理
- 相場:自由診療 30〜100 %/保険 30 分 5,000 円上限
- 勘定科目は「雑収入」+消費税
- 領収書には 「キャンセル料」 と明記
リマインダー導入で無断率 50 % 改善
| タイミング | 配信内容 |
|---|---|
| 3 日前 | 確認メッセージ |
| 前日 9 時 | リマインド+変更リンク |
| 当日 2 h 前 | 来院ルート再送 |
- SMS:開封率 98 %、無断率 18 %→3 %
- LINE:クリック率 75 %、若年層に強い
- 空き枠自動公開→別患者へ再予約=キャンセル枠埋め率 70 %
スタッフ対応フローとトーク
- 当日 30 分経過:電話 → SMS
- 24 h 以内:メール・LINE で理由確認
- 48 h 経過:自動キャンセル+キャンセル料案内
2 回当日キャンセル → 「次回は当日予約のみ」と伝え、計画治療リスクを抑制
患者心理に寄り添うコミュニケーション
- 協力メリット訴求
「ご連絡をいただくと、ほかの患者さまの治療を早められます。ご協力お願いします。」
- 次回予約を確約
「ご都合に合わせ LINE で 24 h いつでも変更できます。」
無断・悪質キャンセルへの最終手段
- 診療拒否可否:緊急でない治療に限り、反復無断キャンセルは予約拒否が認められる(文書化必須)
- 口コミ炎上回避:請求時は冷静に書面説明し、相談窓口を案内
KPI ダッシュボードで数値管理
| KPI | 目的 |
|---|---|
| 無断キャンセル率 | 主目標:6 %→<3 % |
| 当日変更率 | リマインド効果 |
| 再予約率 | フォロー成否 |
| 回収キャンセル料 | 収益補填 |
Looker Studio×予約システム連携で週次自動更新。無断率 6→2 % の改善例あり。
ケーススタディ:無断率 10 %→4 % に下げた医院
- 署名付きキャンセルポリシー
- LINE 3 段階リマインダー
- 実際にキャンセル料を請求し本気度を示す
- スタッフ全員で KPI ダッシュボード共有
まとめ|当日キャンセル削減チェックリスト
- [ ] ポリシーを前日・当日・無断で区分し署名取得した
- [ ] 適正キャンセル料を設定し会計処理を整えた
- [ ] SMS/LINE の 3 ステップ リマインダーを実装した
- [ ] 無断時の 3 段階フォローと「予約不可」ルールをマニュアル化
- [ ] ダッシュボードで無断率・再予約率を週次チェック
- [ ] スタッフ評価に 依頼率・無断率 を組み込みモチベーション管理
このフローを徹底すれば、ドタキャンは大きな問題ではなくなり、チェア稼働率と患者満足度を同時に引き上げる運営が可能になります。






