歯科リコールはがきで来院率を 70% に引き上げる完全ガイド──デザイン・文章例から ROI 測定まで院長必修マニュアル

医院の成長を支えるのは「既存患者の継続来院」です。はがきは LINE やメールより手間はかかりますが、ポストに届く強制力家族の目にも触れる視覚効果で来院率を大幅に押し上げられます。ここでは準備・デザイン・発送・測定まで、現場で迷わない具体手順を解説します。


リコールはがきが売上を左右する 3 つの理由

1. 予防メンテナンス患者が LTV を 2 倍に伸ばす

定期メンテ患者は来院が平均 4 回/年、治療単価も高くなり生涯売上が約 2 倍になります。はがきはその入口を広げる最も確実なツールです。

2. LINE 通知だけでは取りこぼす層へ届く

LINE 登録率は 60〜70% が上限。スマホに慣れないシニア層や通知を見ない層には紙媒体が効果的です。

3. 待合室外でも医院を思い出させる

はがきはポストからリビングまで移動する間に家族の目に触れ、自然に口コミが広がります。


送付タイミングとターゲットセグメント

送付時期主な対象メッセージ軸提案・特典例
3 か月後歯周病メンテ・矯正忘れ防止、装置チェック部分清掃無料
6 か月後小児・保険検診学校検診フォローフッ素塗布無料
12 か月後高齢者・自費患者年 1 メンテ・ホワイトニング義歯洗浄剤同封

成果を上げるはがきデザイン & コピーライティング

レイアウト黄金比

  • 写真 30% / 余白 30% / 文字 40%
  • 配色:ブルー+白で清潔感、アクセントに薄グリーン
  • 見出し:ゴシック 24 pt 本文:11 pt

直筆風メッセージ + 強力 CTA

検診リマインド
「○○さん、お口の健康診断の時期です。Web または QR からご予約くださいね。」

自費メンテ提案
「ホワイトニング効果を保つため、同封チケットで再施術 3,000 円引き!」

小児向け
「シールを集めて歯ブラシゲット! 6 月限定イベント開催中。」

※ 氏名・住所以外の診療内容を詳述せず、効果を断言しない(医療広告ガイドライン遵守)。


はがき制作・発送コストと ROI 試算

方法1 枚コストメリットデメリット
内製プリンタ約 ¥45即日発行インク管理が手間
ネット印刷約 ¥30高品質・安価デザイン入稿が必要
代行サービス約 ¥65住所印刷・投函まで丸投げ単価が高め

損益分岐:平均 LTV ¥100,000 × 利益率 30% = ¥30,000 → 返信率 0.22% で黒字。


配送オートメーション & PMS 連携

  1. PMS で「来院日+6 か月」リストを自動抽出
  2. CSV を郵送代行 API へ送信
  3. 発送ログを PMS に書き戻し、次回フラグを付与

クロスチャネルでフォロー

  • 発送 2 日後:LINE リマインド
  • さらに 5 日後:SMS で追撃

A/B テストで返信率を 20% 改善

  • パターン:見出し × 画像 × 特典(3 × 3 = 9 パターン)
  • 検証:各 500 枚を送付し、最優秀クリエイティブを次月メイン採用
  • トラッキング:Google スプレッドシートで週次入力&条件付き書式ハイライト

スタッフオペレーションと評価制度

役割タスク
受付住所データ管理・CSV 抽出
DH文面確認・ターゲット選定
院長KPI レビュー・最終承認

成果を「リコール予約数」に連動させ、達成で一時金を支給すると依頼漏れ < 10% に。


よくある失敗とリカバリ

  • 長期休暇で投函遅延 → 来院率半減
    → 配送カレンダーを作り、GW・年末年始は前倒し発送
  • 文字だらけのデザインで反応率低下
    → 写真主体+箇条書きへ刷新し、返信率 0.3 → 0.5% に回復

まとめ|リコールはがき運用チェックリスト

  1. ☐ ターゲット別シナリオ(3・6・12 か月)を設定
  2. ☐ CTA・直筆風メッセージ・QR を盛り込んだテンプレを用意
  3. ☐ PMS 連携で抽出→郵送 API へ自動送信
  4. ☐ はがき × LINE × SMS のクロスチャネルを構築
  5. ☐ 週次で返信率・予約数を入力し A/B テストを継続
  6. ☐ KPI を評価制度に連動し月末レビューで改善策を決定

このサイクルを回せば、リコールはがきは “古い紙媒体” ではなく LTV を最大化する最強ツール となり、来院率 70% の予防体制を実現できます。